APTX4869とは、工藤新一を幼児化させた毒薬です。
今回は、そんなAPTX4869について、以下の考察をしていきます。
効能・効果
- 死体から成分が検出されない毒薬
- 幼児化
現時点ではこの2つの効果が明かされています。しかし、いずれも組織の研究目的の成果による効果ではなく、研究過程で生じた副産物だと思われます。
ですが、ピスコの「君がここまで進めていたとは」というセリフから、幼児化あるいは解毒による加齢・老化は本来の研究の途中過程として、なるべくして起きた効果といえる可能性はあります。
実際に飲まされた薬
新一・志保の場合
- 志保が作ったもの
- 動物実験のときにほとんどが死んだが1匹だけ死なずに幼児化したマウスがいた
- 新一が飲まされたときジンは「組織が新開発」「人間にはまだ試したことがない」
メアリーの場合
- ベルモットは「妹が作った」と発言
- 新一や志保にはない咳の症状が発現
開発の過程
宮野夫妻が研究・開発
もともとは18年前、宮野博士の研究をバックアップしてくれるという烏丸グループの施設に移った夫妻が研究していました。
志保へのバースデーメッセージを吹き込んだエレーナのテープには、
と吹き込まれていました。
ここから分かるのは、「宮野夫妻にとっては恐ろしい薬だが他のラボメンバーには喜ばしい薬」だという認識の齟齬があったこと、娘たちと別れることになってでも薬を完成させることを優先しなければならなかったことです。
まだ生まれて間もない志保を遺すことになってでも薬の完成を優先させるほど、宮野夫妻はこの薬に並々ならぬ期待を寄せていたということです。
志保が再現
その後、宮野夫妻が薬を完成させたかは分かりませんが、研究施設で爆発が起こり巻き込まれた宮野夫妻は死亡、薬のデータも燃えてしまいました。
志保は燃え残った資料をかき集めて、両親が研究していた薬を再現させました。ジンが新一に飲ませたのは、この「再現させた薬」です。
ここで注目すべきは、志保が「燃え残った資料をかき集めて再現させた」ことです。
「燃え残った資料」ということは、完全に焼失してっしまった部分もあると考えられます。そうすると、宮野夫妻が作っていた薬と志保が再現させた薬とでは、その成分や生成の過程に差異がある可能性があります。
APTX4869の幹部の認識
羽田事件との関係
17年前にアメリカで起きた「羽田浩司殺害事件」について、浩司の死因は不明となっていますが、APTX4869の被験者リストによれば、「工藤新一」の2つ下に浩司の名前があったことから、APTX4869による毒殺であると思われます。
ジンの発言
一方で、ジンが新一に薬を飲ませたときの「組織が新開発」「人間にはまだ試したことがない」という発言をしています。
ということは、ジンは志保が再現した薬のことは知っているけど、宮野夫妻が作っていた薬や、その薬を使って羽田浩司を含む数名を暗殺してきたことは知らないということになります。
ベルモットの行動
ベルモットは新一や志保が幼児化していることを知っているにも関わらず、メアリーに対して殺害する目的で薬を投与しています。そして、普通暗殺をするときには対象が死んだことを確実に確認しますが、ベルモットはメアリーが川に転落したとはいえ、遺体の確認もせずに現場から引き揚げています。
ここから考えられるのは、
- 宮野夫妻が作った薬では今まで幼児化の実例がなかった
- ベルモットは新一と志保の幼児化にAPTX4869が関係していることを知らなかった
この2つです。
幼児化の実例があることを知っていたら、遺体の確認もせずに引き揚げることはしないでしょう。あずかり知らぬところで生き延びていた、なんてことにならないようしっかり確認するはずです。
また、ベルモットは何らかの理由で不老状態になっており、そのことで宮野夫妻が作っていた薬を恨み、薬や研究のことを「愚か」と評しており、志保が両親の研究を引き継いだことも知っていました。
にもかかわらず殺害目的で薬を使用したということは、新一と志保の幼児化の原因がAPTX4869であることを知らなかった、ということです。
もちろん、何らかの形で組織が関わっていることは知っているでしょう。だから組織の魔の手が伸びないよう、新一を庇っているわけです。また、「ジンが毒薬を飲ませた」という記録も残っているでしょうから、その毒薬のせいで幼児化したことも想像できます。
しかし、その毒薬=APTX4869とは知らないのではないかと思います。
APTX4869は2種類ある
以上のことから、APTX4869には「宮野夫妻が研究していたもの」と「志保か再現したもの」の2種類があり、それぞれ成分や効果に差異があると考えられます。
この2つは、名前は同じでも中身は別だと考えたほうがいいでしょう。