たまごのコナンブログ

当ブログは主に「名探偵コナン」のあれこれを語ります。

黒田さんが大和警部経由で高明さんに連絡した件について

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「36マスの完全試合パーフェクトゲーム)」にて、黒田さんが高明さんに連絡を取る際わざわざ大和警部を経由してましたよね。本庁に異動する前は長野県警にいた黒田さんが高明さんの連絡先を知らないのは不自然だという点から、小五郎と一緒に長野に行くことになった安室さんのことで秘密裏に伝えることがあったのでは、と考察している人が多いですが、果たして本当にそうなのかと思ったので考察してみました。

脇田=ラムで安室の身バレを警戒していた

多くの人が考える説だが

安室さんによる組織への潜入捜査から脇田がラムもしくは組織の人間であると公安に報告が上がっていたとすれば、公安の裏理事官説が濃厚な黒田さんが情報漏洩を気にして安室さんと面識のある高明さんにコンタクトを取ろうとするのは自然なことかもしれません。

安室さんの親友である景光くんと高明さんは兄弟で、安室さんは高校時代、高明さんは大学時代に景光くんを介して会ったことがあります。そして、安室透というのは偽名で潜入捜査を行っている身です。潜入先の男がいるところで本名の降谷と呼べば安室さんの正体が露見するだけでなく、高明さんの身まで危なくなります。

それを危惧してコンタクトを取ろうとすることも、念には念を入れて誰かを経由しようとすることもあり得ない話ではありません。

否定根拠を発見

一見すると否定する理由はなさそうに見えるこの説ですが、SDBのJUSTICE+を読んでいたら否定に値する根拠を見つけました。

私は各キャラクターの紹介やこれまでの活躍などはサラッと目を通す程度ですが、質問コーナーには考察に役立つヒントが隠されていることが多いので結構じっくり見ています。その中の「長野の雪山編の時、黒田管理官がわざわざ大和警部のスマホを介して諸伏警部に連絡していましたが、なぜ直接電話しなかったのでしょうか?」という質問に青山先生は「高明がたまたまスマホを新機種に変えていたため(・・・ぶっちゃけ、せっかちの演出をやりたかったからだけどね(笑))」と答えています。

機種編ついでに番号も変えていて黒田さんはまだ知らなかったために大和警部を経由したようです。ということはつまり、黒田さんがラムだというミスリードをするための演出であって、「脇田に気を付けろ」というような意味合いは無かったということになります。

黒田からの電話の内容

「降谷(安室)とは初対面のフリをするように」

安室さんの身バレを警戒して「初対面のフリをするように」と忠告するのはごく自然なことかもしれませんが、わざわざ黒田さんが忠告しなくても高明さん自身で判断できることだと思います。

現にカメラに写った安室さんを見た高明さんは自分の記憶から「弟の友達のゼロくん」であることに気付いています。また、弟の遺品を届けてくれたのがそのゼロくんであることにも気付きました。

遺品のスマホから「景光公安警察としての捜査中に殉職した」と察していた高明さんですが、ただの知り合いではその事実を知る由はありません。ということは遺品の届け主であるゼロくんも公安の関係者で、弟の死を兄である自分にこっそり教えてくれたと考えつくことができます。

また、公安の関係者は普通自身の存在を公にはしませんが、安室さんはあえてカメラに写りこんでいます。これは、あえて自分の存在を明かすことで、顔を合わせたときに「君はあの時の」と本名で呼ばれないよう、会う前に思い出して「セロくん=公安=安室」であることに気付かせたかったからだと考えます。

これらのことから、高明さんのような聡い人なら、どこで誰が見ているかわからないという心理も相まって、あえて初対面のフリをしようという考えに至ることは容易にできると思います。

黒田の要件は何だったのか

では要件は何だったのでしょうか?これまでのことから脇田を警戒して連絡してきた可能性を除外すると、「安室さんの身バレ防止」「脇田に気を付けろ」「大事」に関することではないことになります。

考えられるのはまず景光くんの殉職についてです。長野県警から本庁に異動して初めて殉職を知ったなら兄である高明さんにそれをこっそり伝えるのは不自然ではないです。ただ、高明さんはすでにゼロくんから送られてきた遺品で弟の殉職を知っています。

もう一つ考えられるのは、啄木鳥会についてです。安室さんが赤井さんから預かった「楠田が自殺に使用した拳銃」の出所についてその後公安が探っているとすれば、拳銃密売をしていた長野県警の啄木鳥会が絡んでいる可能性はないかと確認するために連絡をしてきた可能性が大いにあると思っています。

なぜ大和警部だったのか

高明さんの新しい番号を知らなくて誰かを経由しようと思ったのなら、別に大和警部でなくてもよかったですよね。由衣さんでも長野県警の番号でも高明さんに取り次いでもらうことはできたでしょう。なのになぜ大和警部だったのでしょうか?

まず由衣さんの場合、女性の個人的なナンバーに連絡しただけで「セクハラ」だと指摘する神経質な人もいることを考慮して避けたと思われます。県警の番号の場合、前の捜査一課長からの電話でびっくりさせるかもしれないし、急用なのに不在だった場合連絡が付かなくて困ってしまいます。

その点大和警部なら男性なのでセクハラだと指摘される可能性は低いですし、なんだかんだ仲のいい幼なじみ同士なので外出先でも高明さんと一緒にいる可能性が高くスムーズに取り次いでもらえるでしょう。

あの電話は、組織がらみで連絡したようでいて、実はそうでもないのかもしれません。