たまごのコナンブログ

当ブログは主に「名探偵コナン」のあれこれを語ります。

ラムについて

f:id:tamagoatconan:20211201123716j:plain

記念すべき『名探偵コナン』100巻にて、組織のナンバー2であるラムの正体に限りなく近い人物が浮かび上がりました。ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?私的に腑に落ちない点があるので、改めてラムについて考察してみました。

ラムはこの人?

2年前のおじいさんは脇田だった

黒服の男性二人と車でどこかへ移動中のおじいさんが回想したのは、2年前に赤井さんの正体が組織側に露見することになった取り引き直前の現場でした。キャメル捜査官から「ここにいては危ないです」と声をかけられたのを思い出してニヤつくおじいさんは、カツラとつけヒゲと眼帯で軽く変装して米花いろは寿司に入っていきます。この描写から2年前のおじいさんが脇田に変装していたことが確定しました。

その結果脇田が現時点で組織側の人間であることが判明し、脇田=ラムが確定したかのように思われているのが現状です。ですが、果たして本当に確定してもいいのでしょうか?

おじいさん=ラムとも脇田=ラムとも明言されていない

今回は2年前のおじいさんが脇田だと分かっただけで、おじいさんがラムだとも脇田がラムだとも明言されたわけではありません。また、過去のエピソードでその人が組織側の人間だと確定された場面では必ず自分で名乗るか、他の構成員に明確に呼名されていましたが、脇田やおじいさんは自分でラムとは名乗っていませんし、誰かに面と向かって明確にラムと呼ばれたわけでもありませんでした。

脇田がラムであるなら、わざわざ濁す必要はないはずです。これだけでも脇田=ラムを否定するには十分な理由になり得ますが、腑に落ちないのはこれだけではありません。

腑に落ちない点

ウォッカの証言

ウォッカキャンティの会話にて、「ラムに関する噂は本人が流したブラフ」と話しています。ラムに関する噂とはこちら。

  • 屈強な大”男”
  • 女のような”男”
  • 年老いた老人
  • すべて影武者

脇田が2年前のおじいさんだと分かったのはこの情報が出た2話後です。ラムに関する情報はほぼ”男”でした。それらがブラフ(偽情報)ということはラムは女性かも、と思わせておいてたった2話でやっぱり男でしたというのは不自然ではありませんか?私は個人的に「年老いた老人」と「影武者」が脇田のことを指していて、「屈強な大男」と「女のような男」はラム本人を指していると思っています。ブラフなので「華奢な女」と「男のような女」と変換できます。

最終ページのあおり文

脇田が2年前のおじいさんだと判明した回の最終ページ、サンデー版には「ふざけた名前の男はすぐそこに」というあおり文が付いていました。これを見て脇田だラムだと確定させた人が多くいましたが…。このあおり文、本当に考察の材料にしていいのでしょうか?

あおり文が乗るのはサンデーだけで、コミックやアニメには付きません。コミック派やアニメ派の人には知る由のない情報です。そんなところにヒントを隠すとは思えません。それに、あおり文を考えているのは作者ではなく、どんな作品でもサンデーの編集スタッフです。装丁前に青山先生が確認することはあるでしょうが、であるならなおのこと濁さずに「ラムの正体は脇田!」と言い切っていいところです。

おじいさん=ラムとしたときの2年前の行動

コルンの証言から、2年前の取り引きの時コルンはラムからの命令で現場を張っていました。しかし取り引きは行われず、コルンは後から赤井さんとキャメルさんの写真を見せられてラムから「こいつらはFBI、見つけ次第殺せ」と指令を受けたと言います。ここで「ん?」と思いました。

あのおじいさんがラムであるならば、現場にはラム・コルン・赤井さん・キャメルさんがいたことになります。コルンに指示を出したのはラム本人ですから、赤井さんが潜入捜査官だと気付いたのなら瞬時に指示を出して例えばコルンが赤井さんを狙撃し、ラムがキャメルさんをその場で制圧できたはずです。17年前の時点ですでにナンバー2だったのならそれなりの実力者、武器を忍ばせることもできたはずだし、近距離での素手の対人格闘の技術もあったはずです。

にもかかわらずその場で制圧せずに現場を離れ、後からコルンに始末するよう指示しています。疑わしきは罰せよの組織ですからその場で制圧する方が確実なはずです。他にもFBIが張っていることを加味したとしても、瞬時に現場を離れ変装で顔を変えればいいだけのこと。日本警察の許可なく日本で捜査しているFBI側も、いくらラムが殺したことがわかっていても赤井さんたちの死は明るみにはできないわけです。

このことからおじいさん=ラムが腑に落ちていません。おじいさんとラムは別人で、影武者として現場に出向いたおじいさんが状況を把握してラム本人に赤井さんがFBIだと報告、報告を受けたラムがコルンに指示を出したと考える方がしっくりきます。

長野雪山編での高明さんへの態度

アニメタイトル「36マスの完全試合」にて、長野県警の皆さんが現場に到着したとき安室さんと脇田は高明さんに対して同じポーズをとっていました。両手を拳にして背後に回したこのポーズは、警察官が目上の人に対して行う敬礼です。安室さんにとって高明さんは親友のヒロくんのお兄さんなので、この敬礼をするのもわかります。

ではなぜ脇田も同じ敬礼をしたのでしょうか。脇田がラムであるならば、警察官など目上の人でもなければ敵なはずです。少なくとも脇田は高明さんを知っていて、脇田からすれば高明さんの方が目上ということになります。脇田がラム本人ではなくラムの影武者か何かであるなら、安室さん同様潜入捜査官ということも考えられます。また、高明さんの方が目上ということはヒロくんとも繋がることになり、両親が亡くなった後ヒロくんを引き取った東京の親戚との関連も見えてきます。

ラムの正体

以上のことから2年前のおじいさんが脇田であったことは確定でいいですが、脇田=ラムと仮定して考えたときに腑に落ちない点が多すぎるので、私はミスリードだと考えています。「脇田=ラムを認めたくないだけのこじつけだろ」と思ってもらってかまいませんが、別に正解だとも思っていませんし押し付けたいわけでもありません。

個人的には以上のことから脇田はラムではないと考えていて、黒田さんもほぼ確で公安の裏理事官だと思っています。なので、消去法というのもありますがきちんと理由込みで若狭先生がラムだと考えています。若狭先生=ラムの理由は後日改めてご紹介します。長々とお付き合いいただきありがとうございました!